きのうのブログの続き、千字文の読み方(音読み)と、読み下し文、そして意味についてご紹介のパート7です。
今日は最終回の217~250です。
217~228
嫡後嗣續(テキコウシショク)祭祀蒸嘗(サイシジョウショウ)
てきはこうをしぞくし、さいしはじょうしょうす。
嫡子は父母の後を継ぎ、代々血統を絶やさぬようにつとめ、四季ごとの祖先の祭を催行しなければならない。
稽顙再拜(ケイソウサイハイ)悚懼恐惶(ショウクキョウコウ)
けいそうさいはいし、しょうくきょうこうす。
祭祀では額を地につけて二度深く礼拝し、祖先を恐れかしこみ敬い拝む。
牋牒簡要(センチョウカンヨウ)顧答審詳(コトウシンショウ)
せんちょうはかんようにし、ことうはしんしょうにす。
手紙は要点を押さえて書き、返事は詳しく、問い合わせについて明らかにするように努める。
骸垢想浴(ガイコウソウヨク)執熱願涼(シュウネツガンリョウ)
がいにあかつけばよくをおもい、ねつをとりてはりょうをねがう。
身体が垢で汚れた時は風呂に入って汚れを落としたいと思い、暑さが厳しいときは涼を求めるものだ。
驢騾犢特(ロラトクトク)駭躍超驤(ガイヤクチョウジョウ)
ろらとくとくは、がいやくちょうじょうす。
小さな馬、仔牛、若い牡牛などの家畜が、遊び戯れて跳ねまわり跳び上がっている。
誅斬賊盜(チュウザンゾクトウ)捕獲叛亡(ホカクハンボウ)
ぞくとうをちゅうざんし、はんぼうをほかくす。
盗賊はただちに捕らえて斬り殺す。逃亡する者は探索し縄をかける。
229~250
布射遼丸(フシャリョウガン)嵇琴阮嘯(ケイキンゲンショウ)
ふがしゃりょうががんで、けいがことげんがしょうなり。
呂布は弓を射ることに長け、宜遼(ぎりょう)は玉遊びが上手であった。稽康は琴の名手で、阮籍は詩を吟じた。
恬筆倫紙(テンピツリンシ)鈞巧任釣(キンコウジンチョウ)
てんのふでりんのかみ、きんのたくみじんのつり。
蒙恬が初めて筆を創り、蔡倫が紙を発明し、馬鈞(ばきん)は巧妙な指南車を考え、任公は釣り具を考案した。
釋紛利俗(シャクフンリゾク)並皆佳妙(ヘイカイカミョウ)
ふんをときぞくをりする、ならびにみなかみょうなり。
もつれる事物を解き明かし、世の中に利する、呂布・宜遼・蒙恬・蔡倫ともに皆優れた人々である。
毛施淑姿(モウシシュクシ)工顰妍笑(コウヒンケンショウ)
もうしはしゅくしにして、たくみにひんしなまめかしくわらう。
毛叱や西施はしとやかな美人で、眉をしかめても美しく、なまめかしく笑えばまた美しかった。
年矢每催(ネンシマイサイ)曦暉朗耀(ギキロウヨウ)
ねんしはつねにせまり、ぎきはろうようす。
年月は矢のように早く、促されるように過ぎていき、元に戻ることはない。日は光り輝き、月もまた明澄な光を投げかける。
璇璣懸斡(センキケンアツ)晦魄環照(カイハクカンショウ)
せんきはかかりめぐり、かいはくはめぐりてらす。
天体は宇宙を巡り、日月は循環して時に暗く時に明るく照らして、季節は移り変わっていく。
指薪修祜(シシンシュウコ)永綏吉劭(エイスイキッショウ)
たきぎをさしこをおさめ、ながくやすんじてきっしょうなり。
薪が燃えても尽きないように、熱意をもって人道を修めれば、幸福を得、安寧な生活が永く続き、吉事も招き寄せられる。
矩步引領(クホインリョウ)俯仰廊廟(フギョウロウビョウ)
くほいんれいし、ろうびょうにふぎょうす。
道を歩く際は、うなじを伸ばし、うつむく時も仰ぎ見る時も宮殿にいる時のように謹みと礼を失しないこと。
束帶矜莊(ソクタイキョウゾウ)徘徊瞻眺(ハイカイセンチョウ)
そくたいきょうそうにして、はいかいせんちょうす。
衣冠束帯で正装した時は厳然と威儀を正し、歩き回ったり、近くを見、遠くを眺める時にも、軽率な挙動とならぬよう努める。
孤陋寡聞(コロウカブン)愚蒙等誚(グモウトウショウ)
ころうかぶんなれば、ぐもうとそしりをひとしずく。
友もなく師もなく孤独で学問していても見聞が狭くなり、見識も十分ならず、愚か者とそしられ笑われても仕方がない。
謂語助者(イゴジョシャ)焉哉乎也(エンサイコヤ)
ごじょというものは、えんさいいこやなり。
文章には語助というものがあり、これがあって言葉が生き、文意が達せられる。この語助詞には、焉・哉・乎・也などがある。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
千字文の読み方や意味がわかってお稽古するのと、知らずに漫然とお稽古するのとでは、気持ちも違ってくると思います。
お役に立てば幸いです。(^.^)
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西麻布書院 代表 古川静仙
Seisen Furukawa / Head of Nishi-Azabu Shodo Studio
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