千字文の読み方と意味#4~ 習い事・お稽古事は西麻布書院へ

きのうのブログの続き、千字文の読み方(音読み)と、読み下し文、そして意味についてご紹介のパート4です。

今日は103~142です。

 

103~122 

都邑華夏(トユウカカ)東西二京(トウセイニケイ)

 みやこはるかに、とうざいににきょうあり。

 華夏(中国)の都は東西に二つ置かれた。東都は洛陽、西都は長安。
背芒面洛(ハイボウメンラク)浮渭據涇(フイキョケイ)

 ぼうをせにしらくにむかい、いにうかびけいによる。

 芒山を背に洛水を見る 渭水に浮かび涇水に拠る
宮殿盤鬱(キュウウデンバンウツ)樓觀飛驚(ロウカンヒキョウ)

 きゅうでんはばんうつし、ろうかんはひきょうす。

 宮殿には雲がたなびきわたり、高楼ははるか雲の上までそびえ立ち、まるで鳥が飛び立つようだ。
圖寫禽獸(トシャキンジュウ)畫綵仙靈(ガサイセンレイ)

 きんじゅうをうつしえがき、せんれいをえがきいろどる。

 楼閣の内部には鳥や獣を描き、神々や仙人を描いた壁画が満ちて眩しい。

丙舍傍啟(ヘイシャボウケイ)甲帳對楹(コウチョウタイエイ)

 へいしゃはかたわらにひらけ、こうちょうははしらにたいす。

 宮殿内の小さな家々の門は出入りできるように開いており、最高級のとばりが柱の前に連なる。
肆筵設席(シエンセツセキ)鼓瑟吹笙(コシツスイショウ)

 むしろをつらねせきをもうけ、ことをひきふえをふく。

 宮殿ではむしろを敷き席を設け宴を張る。大琴をひき笙(しょう)の笛を吹く。
升階納陛(ショウカイノウヘイ)弁轉疑星(ベンテンギセイ)

 かいをのぼりへいにいる、べんはてんにしてほしとうたがわる。

 宴席に集った者たちが宮殿の階段をのぼるさまは、冠がきらめき空の星のようだ。

右通廣內(ユウツウコウダイ)左達承明(サタツショウメイ)

 みぎはこうだいにつうじ、ひだりはしょうめいにたっす。

 宮殿内で右へ行くと通じる廣內殿(こうだいでん)に通じ、左は承明殿に達する。
既集墳典(キシュウフンテン)亦聚羣英(エキシュウグンエイ)

 すでにふんてんをあつめ、またぐんえいをあつむ。

 すでに廣內殿にはあまたの書物を集め、承明殿には学識才能ある人々を集めた。
杜稾鍾隸(トコウショウレイ)漆書壁經(シツショヘキケイ)

 とこうしょうれい、しっしょへきけいあり。

 廣內には杜操(とそう)の草書、 鍾繇(しょうよう)の隷書、竹簡に漆で書いた典籍、壁中六経がある。

 

123~142 

府羅將相(フラショウショウ)路俠槐卿(ロキョウカイケイ)

 ふにはしょうしょうつらなり、みちにはかいけいならぶ。

 帝都には将軍や宰相の司る役所が連なり、大通りには三公九卿の車馬が並び続けている。
戶封八縣(コホウハッケン)家給千兵(カキュウセンペイ)

 こにははっけんをほうじ、いえにせんぺいをきゅうす。

 優れた民には八県の租税を与え、戦功のあった民には千人の兵士を給してその功をたたえた。
高冠陪輦(コウカンバイレン)驅轂振纓(クコクシンエイ)

 こうかんれんにしたがい、こくをかりえいをととのふ。

 高位高官が天子の乗り物につき従い、その前を侍臣たちが車を駆っていくさまは飾り紐を振るように美しい。
世祿侈富(セイロクシフ)車駕肥輕(シャガヒケイ)

 せいろくはしふ、しゃがはひけい。

 父祖代々より裕福な家は、車を引く馬はよく肥えてたくましく、車も軽やかに走る。
策功茂實(サクコウモジツ)勒碑刻銘(ロクヒコクメイ)

 さくこうもじつなれば、ひにろくしめいにこくす。

 功を上げた人の名は碑に勲功を刻み、銘に記して後世にたたえた。
磻溪伊尹(ハンケイイイン)佐時阿衡(サジアコウ)

 はんけいといいんは、ときをたすくるあこう。

 太公望と伊尹(いいん)は国を興す助けをした名宰相である。
奄宅曲阜(エンタクキョクフ)微旦孰營(ビタンジュクエイ)

 きょくふにえんたくす。たんなかりせばたれかいとなまん。

 周公旦は武王を助けて殷の王を討った功で曲阜(きょくふ)に居館を構えた。周公旦がいなければ誰がこの地を治めただろうか。 

桓公匡合(カンコウキョウゴウ)濟弱扶傾(セイジャクフケイ)

 かんこうはただしあわせ、よわきをすくいかたむくをたすく。

 桓公は国の乱れを正し、弱小国を救い、傾きかけていた国を助けた。
綺迴漢惠(キカイカンケイ)說感武丁(エツカンブテイ)

 きはかんけいをかえし、えつはぶていをかんぜしむ。

 綺里季(きりき)は太子漢恵帝を救い、帝の地位に就いた。傅説(ふえつ)は殷の宰相となった。
俊乂密勿(シュンガイミツブツ)多士寔寧(タシショクネイ)

 しゅんがいみつぶつして、たしまことにやすんず。

  太公、伊尹、周公などの賢者を天子が用い、天下はよく治まった。

  

 

いかがでしたでしょうか。

やっと道半ばです。ではまた次回。(^.^)/

 

西麻布書院 代表  古川静仙

Seisen Furukawa / Head of Nishi-Azabu Shodo Studio

 

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