千字文の読み方と意味#3~ 習い事・お稽古事は西麻布書院へ

きのうのブログの続き、千字文の読み方(音読み)と、読み下し文、そして意味についてご紹介のパート3です。

今日は69~102です。

 

69~80 

川流不息(センリュウフソク)淵澄取映(エンチョウシュエイ)

 かわはながれてやまず、ふちはすみてひかりをとる。

 川が休むことなく流れるように徳行を積むならば、深い淵が万象を映し出して澄み渡るように、その人望も高まるであろう。
容止若思(ヨウシジャクシ)言辭安定(ゲンジアンテイ)

 かたちはおもうがごとし、ことばはやすらかにさだめよ。

 立ち居振る舞いは厳かにし、言葉は落ち着いて穏やかに。
篤初誠美(トクショセイビ)慎終宜令(シンシュウギレイ)

 はじめをあつくすればまことにうるはし、おわりをつつしむはよかるべし。

 初めに誠意しめすが美徳。終わりを慎むはなお良し。
榮業所基(エイギョウショキ)籍甚無竟(セキジンムキョウ)

 えいぎょうのもとづくところ、せきじんにしておわりなし。

 身を正しくこれら教えの基づくところ、名声は高まり後の世まで伝えられるであろう。

學優登仕(ガクユウトウシ)攝職從政(セツショクジュウセイ)

 がくゆたかなればのぼりてつかえ、しょくをとりてまつりごとにしたがう。

 学に優れれば仕官の道を得る。登朝したら国政の一端に連なれ。
存以甘棠(ソンイカントウ)去而益詠(キョジエキエイ)

 そんするにかんとうをもってし、さってますますえいず。

 召公は巡行する時にならなしの樹の下に宿をとり訴を聞いた。人々は召公を慕い、その死後も徳をたたえて詠った。

 

81~102 

樂殊貴賤(ガクシュキセン)禮別尊卑(レイベツソンピ)

 がくはきせんをことにし、れいはそんぴをわかつ。

 音楽には官位序列によって差異がある。儀礼にも尊卑長幼を分ける秩序がある。
上和下睦(ショウワカボク)夫唱婦隨(フショウフズイ)

 かみやわらぎしもむつみ、おっととなえつましたがう。

 人君は臣民をあわれみ臣民は君主を尊んだ。家庭でも夫が唱えれば妻が従い夫婦仲睦まじい。
外受傅訓(ガイジュフクン)入奉母儀(ジュホウボギ)

 そとにてはふのおしえをうけ、いりてはははのおしえをうく。

 外では師に書計を学び、家では母を手本として教えを身に付け修めていくことである。
諸姑伯叔(ショコハクシュク)猶子比兒(ユウシヒジ)

 しょこはくしゅく、ゆうしをこにひす。

 伯叔母(おば)伯叔父(おじ)は父の兄弟の子であるから、まるで我が子同様に愛し、教え、育ててくれる。 
孔懷兄弟(コウカイケイテイ)同氣連枝(ドウキレンシ)

 はなはだおもうはけいていなり、きをおなじうしてえだをつらぬ。

 強く思いを馳せるは兄弟姉妹のこと。同じ父母の気を受けて、一本の幹から生じた枝葉のように一心同体である。
交友投分(コウユウトウブン)切磨箴規(セツマシンキ)

 こうゆうにはぶんをとうじ、せつましんきす。

 友と交わるにはお互いの誠を捧げ、互いに切磋琢磨して修行に励むべきである。
仁慈隱惻(ジンジインソク)造次弗離(ゾウジフツリ)

 じんじいんそくは、ぞうじもはなれず。

 慈しみ、恵み、いたみ憐れむ。人の道はこの四つの端(はじめ)より一時でも離れてはならない。
節義廉退(セツギレンタイ)顛沛匪虧(テンパイヒキ)

 せつぎれんたい、れんぱいにもかかず。

 節度、道義を守り、心清くへりくだることは、とっさの場合でも揺るがず。
性靜情逸(セイセイジョウイツ)心動神疲(シンドウシンヒ)

 こころしずかなればこころやすく、こころうごかばこころつかる。

 生まれつき性格の穏やかな人は安らかな心地がする。感情の起伏が激しいときは、神経が疲れる。
守真志滿(シュシンシマン)逐物意移(チクブツイイ)

 まことをまもればこころみち、ものをおえばこころうつる。

 物事の道理・人道を守る人は心が満ち平安である。事物に目を奪われ心を煩わす人は成功しない。
堅持雅操(ケンジガソウ)好爵自縻(コウシャクジビ)

 みさをかたくたもてば、よきくらいおのずからつながらん。

 堅く正しく節度を守り、行いを律すれば、高い官位につくことができる。

 

  

 

いかがでしたでしょうか。

まだまだ続きます。また次回。(^.^)/

 

西麻布書院 代表  古川静仙

Seisen Furukawa / Head of Nishi-Azabu Shodo Studio

 

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