こんばんは。今日は北風が強くて、体感温度が低かったですねー。トニー君との散歩で凍りそうでした(*.*)
皆さんは書道をしていて、筆の毛が抜けてきたり、書いているうちに毛先が割れてきたりしていませんか?
まずは基本ですが、筆を使う時は、小筆以外は根元からおろします。墨は喉(根元)まで十分に潤してから書き始めます。書いているうちに毛先が割れてくる原因は、喉まで墨が十分に潤っていないためです。
また、書き終わったとき、どのように筆を手入れしていますか?
今度は根元の墨まできれいに落とします。水道水を直接かけてジャブジャブ洗うのは、筆を痛めることになりますので、反古紙(失敗作や練習した後の半紙)の上で水を少しずつかけながら、墨を落としていきます。
反古紙がないときは、水道水で軽く洗い流した後、ジャムの瓶やペットボトルなどに水をためてその中に浸けておきます。1時間もすると、墨が下に沈んでいるのが見られるでしょう。
日頃反古紙で墨を落としている人も、時にはこのように水につけて、筆の根元からしっかり墨を落とすようにします。
そうしたら、反古紙で水気を拭き取り、吊り下げて干します。
筆架(吊り下げる道具)がなくても大丈夫。画鋲にぶら下げれば十分です。壁に穂先の部分がが付かないようにだけ注意しましょう。
↓このように、鴨居などに引っ掛けることも可能です。
↓乾いた時、筆はこのように穂先が根元からふさふさになっているはずです。
もしあなたの筆が、乾いた状態で固まっているのであれば重症です。入院させる必要があります!
重症の場合、ジャムの瓶では足りません。
↓このように2リットルのペットボトルにぬるま湯を入れて、一晩浸けておきます。朝には下に墨が溜まっているのが見られるでしょう。さらに重症の場合は、水を取り替え、何度か繰り返します。
こうして、使い終わった筆は必ずしっかりと墨を落として、一晩干して完全に乾かして、また次の時に使う・・・こうしてきちんと手入れしながら使っていけば毛が抜けることはありませんし、長く使い続けることができます。是非お試し下さい(^.^)
また、「弘法筆を選ばず」という言葉がありますが、あれは弘法大師にだけ許される言葉で、一般の私たちはやはり筆を選んだほうがいいと思います。
初心者は兼毫筆(けんごうひつ。周りが柔らかい羊毛で、内側にコシのある剛毛を使ったもの)が使い易いと思います。いろいろ試してみて、自分に合った筆を見つけたら、数本買ってを交互に使い、前述のようにきちんと手入れをすると、更に長持ちします。
私の経験では、中国法の臨書をする程度になったら、九成宮などシャープな楷書は鼬(いたち)の筆が書きやすかったです。楷書でも丸みのある孔子廟堂などは兼毫筆、行書・草書も兼毫筆で十分です。
隷書は兼毫筆の中でも、毛量の多い筆が非常に書きやすいです。隷書で鼬の筆を使うと、バネが効きすぎて、書きにくいです。
初めて隷書を習った時、いくらお稽古してもあの独特なはらいが格好良く書けませんでした。毛量の少ない筆を使っていたので、毛量の多い筆に変えた途端、素晴らしいはらいが書けるようになり、道具を選ぶ大切さを実感しました。(^o^)
ついでに、硯(すずり)の手入れについて簡単に。「顔を洗うより硯を洗え」という言葉があるのをご存知ですか?硯は使った都度、洗うのが原則です。洗わないでそのまま使うと、墨滓(ぼくし。墨のカス)が溜まっていき、書いた作品に墨滓が付着してしまいます。作品に墨滓が付いていると、書者の見識が疑われます。また、墨にも墨滓は付きますから、反古紙などできれいに拭き取っておきます。
参考になりましたでしょうか?
ではまた次回、お会いしましょう(^.^)/
西麻布書院 代表 古川静仙
習い事・お稽古事がしたくなったら・・・ 西麻布書院へGO!
How to take care of brushes;
1) Wash it from the roots of a brush whenever you use.
2) Hang it up on the wall with pin to dry.
These are the points to keep brushes in good condition for a long time. Please try! (^.^)
Seisen Furukawa / Head of Nishi-Azabu Shoin
書道教室の西麻布書院は、趣味として学びたい方から本格的に学びたい方まで、書道を基礎からきちんと学べる教室です。ご希望の方は第一回目のクラスを入会手続き前に体験できます。外国人の方には英語でお教えします。出張書道教室もあります。
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