篆刻について ~About Tenkoku, Seal-engraving~

以前から篆刻を習いたいと思っていました。初めは本を参考に見様見真似で彫っていましたが、やはり独学には限界を感じていました。しかし既に忙しい身でどうしたものかと思いを巡らしました。しかし暇になるのを待っていたら人生が終わってしまう!と思い、すぐに習い始めました。素晴らしい先生と出会い、とても優秀で親切なクラスメイトにも恵まれ、本当に幸いでした。

さて、篆刻教室では、書道教室のように先生がお手本を書いてくださるわけではなく、手ぶらで行っても何もすることはありません。毎回印稿を書いていくことと、石を彫っていくことが課題で、それがとても大変です。この一年、もう無理だと思ったことが何度となくありました。でも好きなことだから、そしてクラスメイトの皆さんの励ましのお陰で何とか続けてこられました。

言葉選び・文字選び・印稿作り

まずは言葉選び。墨場必携や漢詩などからいいと思った言葉を選びます。同時に篆書で書くとどうなるか、今度は字典と首っ引きで文字を調べ、疎密のバランスなどをを考えながら下書きをし、そして朱と黒の墨で印稿を仕上げます。
これは先日謙慎書道会展に出した「澹然自逸」の印稿です↓

言葉選び・文字選び・印稿作り

鏡文字

次にそれを鏡文字で石に筆で書きます。文字通り、印稿を鏡に写し、鏡の中に写った文字を石に墨と筆で書いていくのです。書いては今度は石を鏡に写し、修正を重ねていきます。いい印を彫るにはここが重要。



鏡文字

彫り彫り

石に正確に文字を書いたら、やっと彫りに取り掛かれます。実は石に字を書くところまでの工程が9割です。ですから、彫りに取り掛かれるところまできたら、やっとここまで辿り着いた! Finally! という気持ちです。彫っては押印し、修正箇所を見付けてはさらに彫り、押印の繰り返しです。
彫り彫り

何事も努力あるのみ。

書作品に押印する雅印を超えて、篆刻も書道と並ぶまでその世界が広がってきました。「方形の書」とも呼ばれる篆刻もまた奥が深いです。勉強することも沢山あります。これからもコツコツと(猛烈に)頑張ろうと思います。

西麻布書院 古川静仙

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